「ipaS」開発による効果と背景
宮城県仙台市では2018年10月31日~2019年3月31日の期間にわたり、RPAツールである「ipaS(アイパス)」の実証実験を行いました。
9つの業務を対象としたこの実証実験では、最大95%もの作業効率軽減の効果があるという結果が出ました。行政事務効率化の有効性を示した「ipaS」は2019年7月より、仙台市の自治体業務へ導入されました。
「ipaS」は、株式会社三菱総合研究所と株式会社デリバリーコンサルティングが開発し、株式会社アイネスが販売をしているRPAツールになります。Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略称であるRPAは、人工知能などの認知技術を活用した業務効率化、自動化の仕組みの総称です。
高度な画像認識機能を持つ「ipaS」は画面に表示されるものを認識出来るので、画面上のシステムやアプリケーションを自由に制御することができます。
日本では少子高齢化が進み、労働力不足という問題が差し迫っていることが「ipaS」開発の背景にあります。少数の人手でも行政事務を行えることが必要となってくるのです。
2040年には、現在行政事務を行っている職員が半数にまで減り、尚且つ住民へのサービスの維持と向上が求められているのです。この目標・課題に向けて、地方自治体への「ipaS」導入が決定したのです。
実際に下記のような定性効果がありました。
● 定性効果:「ipaS」活用による主な定性効果は、以下のとおり
・事務ミス/精神的負担の軽減・・・比較的単純で作業量の多い業務を自動化することで、事務ミスの発生を防止し、職員の精神的負担を軽減することができる
・実施サイクルの短縮・・・ウィルス対策のパターンファイル更新確認等、頻度が高く、都度の対応が必要な作業について、実施サイクルの短縮や常駐監視が可能となる
・本来業務への時間確保・・・単純処理をRPAに任せることで、企画立案や住民対応等の業務へのシフトが可能となる
・現行業務の見直し・・・RPA化を行うに当たり、現行業務の手順の確認を行うことで、現行業務の問題点を発見し、改善のヒントを得る機会となり、業務改善意識が醸成される
(株式会社アイネス公式ホームページより)
開発3社の今後の動き
株式会社アイネス、株式会社デリバリーコンサルティング、株式会社三菱総合研究所の3社は、仙台市での実証をきっかけに、更なるRPAの導入やAIを活用した自治体への作業効率の向上、作業負担の軽減などにより、働き方改革推進に貢献していくことを目指しています。
(画像は株式会社アイネス公式ホームページより)
【参考】
※株式会社アイネス
https://www.ines.co.jp/news/20190718_01.html※株式会社デリバリーコンサルティング
https://www.deliv.co.jp/service/ipas