MEMSセンサを用いて構造物の挙動や変化を把握
大成建設株式会社は、横河電機株式会社、長野日本無線株式会社、国立大学法人東京大学と共同で、MEMSセンサを用いたモニタリングシステム「T-iAlert Structure」を開発したことを2017年11月29日に発表した。
MEMSセンサの配線、メンテナンスなどの課題を解決
今回のシステム開発は、MEMSセンサを用いた健全性評価技術の課題である「センサへの配線」や「センサの交換・メンテナンス」といった課題を解決することを目的に行われた。
今回開発された「T-iAlert Structure」では、長期間メンテナンス不要を実現し、配線の問題は無線通信を用いることで解決するとともに、地震発生前後の構造物に生じる振動や変化を高精度に把握・分析し、迅速に構造物の健全性を評価することを実現している。
「T-iAlert Structure」を構成する技術は3つあり、1つ目は、重力の「100万分の1の加速度」や鋼材の「10億分の1の長さ」の変化まで測定できる性能を有した「MEMSセンサ技術」で、横河電機が開発を担当した。
2つ目は、構造物に複数設置されたセンサからのデータをフロアに設置した受信装置を介して診断PC転送するなどの「無線通信技術」で、長野日本無線が開発を担当している。
3つ目は、診断PCで行う構造物に生じる振動からの健全性判定、異常が認められた場合の損傷個所といった「構造物の健全性評価技術」で、大成建設と東京大学が開発を担当した。
「T-iAlert Structure」は実証試験により有効性を確認されており、今後は、実証試験を積み重ねるとともに学校や病院、橋梁など公共性が高い建物の事業継続計画対策への提案を行い、2019年4月から順次実施導入に向けた展開を進めていくとしている。
(画像は大成建設ホームページより)
大成建設 プレスリリース
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