地下構造物の変形などを抑制する「サスペンションシールド工法」
株式会社熊谷組、東京地下鉄株式会社、公益財団法人鉄道総合技術研究所は10月4日、共同でシールドトンネルなどの地下構造物の変形や変位を抑制する技術「サスペンションシールド工法」を開発した、と発表した。
サスペンションシールド工法は、3者共同で特許出願中とのこと。
上部または側部にシールドトンネルを新設し地下構造物の変形や変位を抑制
既設トンネルは、地盤の圧力や近接構造物により縦断方向に長期的な変形や変位が発生する可能性がある。トンネルを内部から補強する場合、補強スペースを確保する必要があるため、供用トンネルに支障を及ぼす。
「サスペンションシールド工法」では、変形や変位が進行する可能性のある既設のシールドトンネルなどの地下構造物に対して、内部ではなく、上部または側部にシールドトンネルを新設することで、既設の地下構造物を牽引し、変形や変位の進行を抑制する技術である。
シールドトンネルの施行手順は、最初にトンネルの近傍に立坑を設置する。次に、立坑を利用してシールドトンネルを新設する。既設トンネルと新設トンネルの両方に、補強部材を設置する。
続いて、新設シールドトンネルから削孔を行い、牽引部材を設置。新設トンネル内に親ケーブルを設置し、親ケーブルと補強部材を接続して牽引用のジャッキを設置。牽引力を調整し、既設地価構造物の変形や変位量を制御するものである。
この工法は、内部補強が困難な供用中のトンネルなどに適用可能な技術で、将来発生する可能性のある変形や変位を予防し、地下構造物の安全性を保持する技術である。
(画像はプレスリリースより)
株式会社熊谷組のニュースリリース
http://www.kumagaigumi.co.jp/press/2017/pr_171004_1.html