提携している中外製薬とロシュ社
中外製薬株式会社は、9月22日、スイス・ロシュ社が「Actemra/RoActemra」について、欧州にて巨細胞性動脈炎(GCA)に対する承認を受領したと発表した。
この発表は、ロシュ社が同日に発表したプレス・リリースの一部を翻訳したもの。中外製薬とロシュ社は、戦略的アライアンスを締結している。
自己免疫疾患のひとつ、巨細胞性動脈炎
GCAは、大型血管炎に属する自己免疫疾患のひとつ。徴候や症状が多様であるため診断は困難だが、未治療のままでいると頭痛・頭皮の圧痛・視覚症状などが生じ、失明や大動脈瘤に至る可能性もある。
従来のGCA治療は、失明などの障害を防ぐ緊急的な治療として、高用量のステロイド療法に限定されていた。しかしステロイド療法では、長期の病勢コントロールが難しいGCA患者も存在する。
「Actemra/RoActemra」は、日本においては「アクテムラ皮下注162mgシリンジ」「同オートインジェクター」として販売されている皮下注製剤。「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」「既存治療で効果不十分な高安動脈炎、巨細胞性動脈炎」を効能・効果として、承認されている。
欧州初のGCA治療薬
今回「Actemra/RoActemra」が欧州において取得した承認は、第3相臨床試験「GiACTA試験」の成績に基づくもの。同試験では、「Actemra/RoActemra」群とステロイド単独漸減投与群の比較が行われ、「Actemra/RoActemra」群が統計学的に有意な持続的寛解を示している。
今回の承認により「Actemra/RoActemra」は、欧州において初めて承認を受けたGCA治療薬となった。ロシュ社は同剤について、GCAの治療方法を根本的に変える可能性を持つとしている。
(画像は中外製薬の公式ホームページより)
ロシュ社、Actemra/RoActemraaの巨細胞性動脈炎に対する欧州における承認を受領 - 中外製薬株式会社
https://www.chugai-pharm.co.jp/