超々臨界圧石炭火力発電所の建設工事および港湾建設工事を受注
住友商事株式会社、株式会社東芝、株式会社IHIの3社は8月23日、コンソーシアムを組成し、バングラデシュの石炭火力発電公社が推進する超々臨界圧石炭火力発電所の建設工事および港湾建設工事を受注した、と発表した。
石炭火力発電所はバングラデシュの総発電容量の約1割を担う
バングラデシュ人民共和国は、2017年度(2016年7月-2017年6月)の経済成長率(GDP)が7.24%と高く電力需要は伸びているものの、慢性的な電力不足の問題を抱えており、経済発展に伴う新たな電源開発が数多く計画中である。
自国産天然ガスによる火力発電が、総発電容量の約65%を占める。政府は、燃料の安定調達のため、LNGや輸入炭を中心とした電源開発を推進している。
バングラデシュの沿岸部は遠浅のため、大型船舶で運搬した貨物を小型船に乗せ換えて港へ輸送し、荷揚げしている。そのため、深海港建設事業は、LNGや石炭輸入用の大型船が接岸できる同国初の深海港の建設を行い、重化学工業などの産業振興を担うものとして期待されている。
事業は、石炭火力発電所建設と深海港建設の複合プロジェクトで、バングラデシュ南東部、第2の都市チッタゴンとコックスバザールの中間地点マタバリ島に建設する予定である。
石炭火力発電所は、輸入石炭を燃料とし、蒸気を超高温・超高圧化により発電効率を高める高効率の超々臨界圧方式、発電容量1,200MW(600MW×2基)で、同国総発電容量の約1割を担う見込みである。
事業資金は、国際協力機構(JICA)による円借款で、総事業費は約5,000億円。1契約の円借款供与としては、過去最大規模となる。
住友商事は、発電所の土木工事と補機供給、海洋土木工事と港湾建設を担当する。委託先は、東芝プラントシステム株式会社と五洋建設株式会社である。
東芝は蒸気タービン・発電機の供給と据付、IHIはボイラの供給と据付を担当する。
2017年8月着工、2024年7月完工の予定とのこと。
(画像はプレスリリースより)
住友商事のニュースリリース
http://www.sumitomocorp.co.jp/news/detail/id=30242