日本初のバージ型浮体式洋上風力発電システム実証運転
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月21日、北九州市沖約15km、水深約50mの海域に設置した日本初のバージ型浮体式洋上風力発電システムの実証運転を、同日に開始したと発表した。
NEDOは2014年度から、水深50mから100mで適用可能な低コストの次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究(バージ型)を開始し、実証海域の選定や浮体の設計・製造に取り組んできた。
2018年6月にバージ型と呼ばれる浮体を製作し、同年8月には、このバージ型浮体にコンパクトな2枚羽風車を搭載して、日本初のバージ型浮体式洋上風力発電システム実証機の組み立てを完了している。
その後、今回発表の設置海域まで曳航し、係留、電力ケーブルの接続、試運転調整などを実施後、日本初のバージ型浮体式洋上風力発電システムの実証運転を、同日に開始したもの。また、これに合わせて、福岡県北九州市において運転開始式を行っている。
低コストの浮体式洋上風力発電システム技術確立目指す
なお、今回の実証運転は、実証機システムから得られる発電量・波圧・係留力などの各種計測値と設計値を比較して設計の妥当性を評価することとしており、2021年度まで実施するという。
また、遠隔操作型の無人潜水機を使用した浮体や係留システムの効率的な維持管理技術、故障を予測し未然に防ぐ技術などを取り入れたメンテナンスに取り組み、安全性・信頼性・経済性を明らかにすることで、低コストの浮体式洋上風力発電システム技術の確立を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 プレスリリース
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101117.html