民間人にも被害
中国との国境近くにあるミャンマーのシャン州コーカン(Kokang)地区で3月6日、ミャンマー民族民主同盟軍(Myanmar Nationalities Democratic Alliance Army:MNDAA)と治安部隊との間で戦闘が勃発し、少なくとも30名が死亡した。
戦闘があったのはコーカン地区の中心地であるラウカイ(Laukkai)で、反政府勢力であるMNDAAが警察や軍事部隊に対して先制攻撃を開始した後、戦闘が勃発したと伝えられている。
攻撃は早朝に開始され、1日中続いたというが、同日午後、町の一部で火災が起こり人々が逃げている様子がソーシャルメディアで共有されたという。
ミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー氏の事務所は、
「最初の情報によると、MNDAA武装集団による攻撃で、初等学校教師を含む多くの民間人が殺されたとのことだった」(BBCより)
と声明で述べている。
死亡したのは、警官5名、民間人5名、MNDAA兵士20名で、ホテルや車などが破壊され、警官4名が人質となっているという情報もある。また、町の人々は逃げ出しているという。
漢民族が暮らすコーカン地区
コーカン地区は中国とのつながりが深く、多くの漢民族が暮らす自治区で、人々は中国語の方言を話し、中国元が通貨として使われている。
MNDAAはコーカン地区の武装勢力で、ミャンマー国軍とは小競り合いが続き、2015年2月に起こった戦闘では、多くのミャンマー人が国境を越えて中国に逃避した。
また、この戦闘でミャンマー戦闘機が中国側に爆弾を投下したとして、両国間の緊張が高まったという。
スーチー氏率いる新政権が誕生してほぼ1年。少数派民族との和平交渉を積極的に行っているが、新たな問題を抱えることになったといえるだろう。
(画像はBBCより)
30 dead in new fighting near Myanmar-China border
http://www.bangkokpost.com/30 dead as intense fighting breaks out in Myanmar-China border town
http://www.scmp.com/Myanmar rebel clashes in Kokang leave 30 dead
bhttp://www.bbc.com/