FDKの材料技術と川崎重工業の構造技術が融合
各種電池や蓄電デバイス等を手がけるFDK株式会社は2月15日、大容量ニッケル水素蓄電池「メガトワイセル」を開発したと発表した。
同製品は、同社が円筒形ニッケル水素蓄電池で長年培った材料技術と、川崎重工業株式会社の大容量高出力蓄電池「ギガセル」の構造技術を融合させて誕生したもの。
大容量・長寿命・優れたリサイクル性を実現
ニッケル水素蓄電池は一般に、電解液が水溶性のため、他からの炎を受けても極めて燃え広がりにくく、安全性が高い。また、-20℃という低温から80℃というという高温までの広い稼働温度領域を特長とする。同製品では、これらの特長に加え、大容量・長寿命・優れたリサイクル性を実現した。
大容量化は、同社がこれまで培った材料技術による内部抵抗の低減により可能になった。
また、電池内部の負極材料として、独自の超格子合金をさらに改良し、高耐久化した新合金を採用することで蓄電池の長寿命化を実現。期待寿命を15年にまで伸ばした。さらに、独自の電池寿命予測技術を搭載し、蓄電システムにおいて、電池交換メンテナンス頻度の低減や保守費用の削減を可能としている。
使用済みニッケル水素蓄電池はリサイクルされ、ニッケルやコバルト、希土類などを分離精製して再利用されるため、一般的に再資源化率が高い。特に同製品は、溶接で固定しない構造のため解体しやすく、優れたリサイクル性を有している。
拡大する大型二次電池市場向けの製品
現在、再生可能エネルギーの発電量増加に対応する電力貯蔵や災害発生時の停電対策を目的とした非常用電源の需要が高まっている。同製品は、こうした拡大する大型二次電池市場向けの製品として開発された。
これまでも同社は、円筒形ニッケル水素蓄電池を搭載した蓄電システムを開発、販売してきたが、同製品では、直列・並列稼働などの拡張性を持たせることにより、30kWh以上の大容量化が可能。電動機器への用途に加え、スマートコミュニティ向けなど大容量を必要する用途で使用することができる。
なお、同製品は3月1日~3日に開催される「国際二次電池展」と5月10日~12日に開催される「データストレージEXPO」(いずれも東京ビッグサイトにて開催)にて展示、紹介される予定。
(画像はプレスリリースより)
FDK プレスリリース
http://www.fdk.co.jp/whatsnew-j/release20170215-j.html