バイオマスエネルギーの利用拡大に向けた事業性評価
日本のエネルギーや環境分野で産業技術の開発と普及を支援する、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、『バイオマスエネルギーの地域自立システム化実証事業』にて、バイオマスエネルギーの利用拡大に向けた事業性評価(FS)の公募を実施。新たに2テーマを採択した。
バイオマスの種類毎に地域性を考慮した最適なシステム化を評価
バイオマスエネルギーの利用拡大を推進するNEDOでは、熱利用において高効率の運用と地域特性を活用した最適なシステム化を求めている。
そこで2014年度から始まった『バイオマスエネルギーの地域自立システム化実証事業』は、「木質系」「湿潤系」「都市型系」「混合系」といった、バイオマスの種類毎に、地域性を考慮した事業の最適なシステム化を評価、高い技術指針や導入要件の実用性を集約し毎年度公表している。
食品加工残渣等と家畜ふん尿の混合メタン発酵
今回同事業において新たに採択された、バイオマスエネルギー利用拡大における事業性評価の2テーマは以下の通り。
一つは北海道で実施される「食品加工残さ等と家畜ふん尿の混合メタン発酵処理による大規模植物工場への熱供給システムの事業性評価(FS)」。
これは北海道エア・ウォーター株式会社を委託先とし、混合メタン発酵において食品加工場の残渣(ざんさ)や乳牛ふん尿等を原料とするもので、それにより生み出された電気や熱を大規模植物工場および周辺農家で使用するという、熱供給システムの事業性について評価する。
小型分散、鶏糞メタンガス発電システム
もう一つは、三昌物産株式会社と三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社を委託予定先とし、三重県で実施される「小型分散による鶏糞メタンガス発電システム導入と熱利用の事業性評価(FS)」。
これは未利用の鶏糞をバイオマスの原料として活用。小型分散のメタン発酵発電システムを鶏舎内に導入し、電力および熱をこれに代替するもの。
なおNEDOでは、毎年度公表する技術指針や導入要件にて、これら事業性評価(FS)の成果を反映する事となっている。
(画像はニュースリリースより)
NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100796.html