自家造血幹細胞移植後のホジキンリンパ腫に対する地固め療法
武田薬品工業株式会社は5月30日、悪性リンパ腫治療剤『アドセトリス』(ブレンツキシマブ ベドチン)について、欧州医薬品評価委員会(CHMP)から、適応拡大の見解が示されたと発表した。
今回の見解を受け、自家造血幹細胞移植後の再発・進行リスクの高いCD30陽性ホジキンリンパ腫について、欧州委員会(EC)で審議されることとなる。
早期治療におけるアドセトリスの重要性が示唆
現在、化学療法の効果が認められないホジキンリンパ腫において、自家造血幹細胞移植は標準療法となっているが、移植後の再発率は平均で50%と非常に高い。
今回の承認推奨の見解は、プラセボ投与群と比較して、アドセトリス投与群で無増悪生存期間の有意な延長が認められた第III相試験の結果に基づくもの。無増悪生存期間は、すべての患者において、投与開始から2年以上にわたり評価された。
日本国内におけるホジキンリンパ腫について
厚生労働省によると、日本国内では悪性リンパ腫のうち約5%がホジキンリンパ腫で、年齢別でみた罹患率としては、25~33歳までと55歳以上が高く、また、死亡率は女性に比べて男性で高くなっている。
ECでの承認に期待
今後は欧州委員会(EC)で審議されたのち、予後改善につながる治療薬として新しい効能が正式に承認された場合、EU諸国28か国のほか、ノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドで承認される予定。
武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2016/20160530_7421.html日経プレスリリース
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=414772&lindID=4