進行胃/胃食道接合部がん対象
独メルク社(以下、メルク)と米ファイザー社(以下、ファイザー)は、2016年1月15日、avelumabの二つの第III相試験を開始したと発表した。今回の試験は2015年に開始していたavelumab第III相試験の3、4番目の試験となる。
avelumab
avelumabは抗PD-L1モノクローナル抗体(MSB0010718C)に対して申請中の国際一般名(p-INN)であり、現在開発中の完全ヒト型抗PD-L1 IgG1モノクローナル抗体(fully human anti-PD-L1 IgG1 monoclonal antibody)である。
PD-L1の作用の抑制により、T細胞と適応免疫系を活性化することで、抗体中のFc領域が保たれ、avelumabは抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘発すると考えられている。
二つの第III相試験
今回行われる二つの第III相試験は、ファーストライン試験(JAVELIN Gastric 100)とサードライン試験(JAVELIN Gastric 300)で、進行が早く、生存率の極めて低い治療が困難ながんである、進行または転移性胃/胃食道接合部(GEJ)がんを対象に評価するもので、いずれも主要評価項目は全生存期間(OS)である。
ファーストライン試験(JAVELIN Gastric 100)では、進行または転移性胃/GEJがんを対象として、白金製剤を含むファーストライン化学療法後の維持療法としての免疫療法剤avelumabの、ファーストライン化学療法継続に対する優越性を評価する。
胃がんにおけるファーストライン維持療法としての既存の白金製剤を含む化学療法に対して、免疫療法の優越性を評価する、現在唯一の第III相試験となる。
サードライン試験(JAVELIN Gastric 300)では、進行または転移性胃/胃食道接合部がんを対象として、サードラインとしての免疫療法剤avelumabを評価する。
ファイザー社 プレスリリース
<a href=" http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2016/2016_01_15.html " target="_blank"> http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2016/2016</a>