8名が下痢などの症状、3日間の営業停止を命じる
埼玉県のさいたま市保健所は10月31日、大宮区内の飲食店「南九州うめえもん大宮亭」に対し、11月2日までの3日間の営業停止を命じる行政処分を行ったと発表した。
医療機関から管轄の狭山保健所に、「10月19日に当該飲食店を利用した者が、下痢、発熱等の症状を呈している」との通報が26日にあり、同保健所が調査したところ、1グループ18名のうち8名が22日から23日にかけて下痢、腹痛、発熱等の症状を呈していたことが判明したもの。
これに対し保健所は、発症者の便3検体からカンピロバクター菌が検出されるとともに、発症の潜伏期間・症状が合致していたこと、また全員の共通食が当該飲食店で提供された食事に限られるとし、この食事を原因とする食中毒事件と断定、当飲食店の営業停止処分を行ったという。
カンピロバクター菌は生の鶏肉や牛肉に生息
なお提供された料理メニューには、とりわさ2種盛り(むね身・ささみ)やとりモモ炭火焼き、とり炒飯などが含まれていたものの、原因食品は不明としている。
保健所によると、カンピロバクター菌は鶏、牛、豚などの動物の腸内に生息する細菌で、生の鶏肉や牛肉が感染源となることが多く、食品や飲料水および調理器具を介して感染する事例もあるという。
少量でも食中毒を起こすことあり、生食を避けるべきと
またこの菌は、熱や乾燥に弱く常温の空気中でも死滅するが、他の食中毒と比べて少量でも食中毒を起こすことがあり、これでの食中毒はノロウイルス食中毒とともに発生件数が多いとのことだ。
予防対策については、食肉は十分加熱して生食を避けるとともに、冷蔵庫に保管するときは他の食品と区別するほか、生肉等を取扱った後の手指・調理器具等は二次汚染の感染源となるため、使用後の洗浄・殺菌を行うことが重要だとしている。
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さいたま市 報道発表資料
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