段階的心臓修復手術に成功
筑波大学付属病院は2014年1月17日、筑波大学附属病院小児集中治療センターの平松祐司教授、高橋実穂診療講師らのグループが、出生時の体重が1,100gであった極低出生体重児の段階的心臓修復手術に成功したと発表した。
心室中隔欠損症と動脈管開存症、2つの重い先天性心疾患を抱えた女児の出生時の体重は1,100gだった。生後間もなく心不全に陥ったため、姑息手術を余儀なくされた。術後は一時重篤な循環不全に陥ったが、内科的管理によって容体は安定し、女児は成長することができた。
体重2,700gにまで成長した4ヶ月後に、根治のための手術が行われたが、術後は補助体外循環装置を6日間装着するなど、一時は極めて危機的な状況に陥った。その後、奇跡的な回復を遂げ、根治手術から3ヶ月後に退院した。女児に後遺症はないと言う。
(画像はプレスリリースより)
世界的にも報告数は僅か
出生時体重が1500g未満は極低出生体重児とされるが、この女児は県内でも最小体重であり、全国的・世界的にも今回のようなケースの報告は少ない。女児の回復は小児集中医療センターの機能を駆使した医療が功を奏したと言える。
小児集中医療センター
2013年1月に新設された小児集中治療センターは、厚生労働省の小児救命救急センター事業に指定された施設としては、全国で8番目となる。小児集中治療に特化した診療ユニットとして、安全で質の高い小児集中医療および救命救急医療の提供を目的としている。小児の重症疾患や侵襲度の高い手術後の集中治療管理を日常的に行いながら、茨城県を中心とする広域小児救急医療システムの中核施設のひとつとして、24時間体制で高度の小児救命救急医療を展開している。(鈴木ミホ)

筑波大学 プレスリリース
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