今日はこのくらい痛い
患者の痛みを「バーコード」を利用して医師が把握する。こんな新しい試みが23日、「PLoS One」誌オンライン版で紹介された。研究を行ったのはスイス連邦工科大学の研究者。
image難しい痛みの評価
慢性的な痛みを抱える患者にとって、医師にその痛みを伝えるのは難しい。また、医師の側も患者の痛みを把握し続けることは容易ではない。
一般的には、痛みを評価する10段階評価のアンケートが行われるが、数字ではなかなか正確には伝わらない。
また、痛みは時間によって変化するので、瞬間の情報を伝えるには不向きだ。
子どもや認知障害のある患者は、数字で評価するのが難しい、という弱点もある。
スイス連邦工科大学の研究チームが新たに発表した痛みの評価法は、ジャイロスコープと加速度計を装備したセンサーを患者の胸に取り付ける、というもの。
痛いときは動きが変わる
この実験により、痛みによって患者の動きが異なることがわかった。
痛みのない被験者に比べ、慢性の疼痛を持つ被験者は、動作の最中でひんぱんに休息をとったという。
動作の記録は、一種のバーコードとして記録された。視覚化することで、医師が患者の痛みを一目で理解できるのが、このシステム最大の利点だ。
◆eurekalert
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-02/epfd-gah022212.php