マイクロチップが自動投与
体内に埋め込まれたマイクロチップから、自動的に投薬されるシステムの実験に、米ハーバード大学などの研究チームが成功した。
骨粗鬆症治療薬の投薬に成功
実験では、60歳~70歳の女性患者7人に対して、腰回りにチップが埋め込まれた。
チップは1つが13ミリ×5ミリの大きさ。小型コンピューターとしての機能を持ち、外部からの無線信号か、あらかじめ組み込まれたプログラミングにしたがって、体内に薬を放出する。
20日分を1日分ずつ投与できるようにした今回の実験では、副作用などもなく、効果も注射と同じだったという。
実験結果は16日付けの米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシン電子版に掲載された。
問題は温度と動作の確実性
さまざまな疾病治療のために、定期的な注射を必要とする患者は多い。そういった人たちの生活改善に役立つ技術として期待される。
解決されるべき問題も残されている。今回使用された骨粗鬆症治療薬についても、米ネブラスカにあるクレイトン大学で研究センターディレクターをつとめるロバート・レッカー教授は、冷温で保存されるべき薬が体温にさらされ続けることを心配する。
また、動作の確実性も重大な問題だ。抗がん剤などでは、もし投与量や投与間隔が想定と異なれば、命にかかわる。
◆healthday
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