「いい人」だが能力には疑問符
田中防衛相が連日、参議院予算委員会で弁明に追われている。
国会審議中に無断で席を外し、コーヒーを飲んでいた件では「在籍期間中は国会内でもうコーヒーを飲まない」と逆ギレ。
6日には、前防衛相と米国防長官のやりとりを確認していなかった、と発言して訂正を求められた。
最大の肩書きは「田中真紀子氏の夫」
前一川防衛相の問題を引きずる防衛大臣は、複雑な配慮を求められるポストだ。国家の安全を担うだけに、責任も大きい。
高度な知見が必要なポストでもあり、一朝一夕の勉強で対応できる地位ではない。
このポストに田中氏を起用した野田政権の罪は重い。田中氏は温厚な人柄で知られるが、確たる実績はなく、本人が辞任するように、防衛には素人だ。
民主党にもいる防衛の専門家
民主党政権では、総理が替わっても内閣の顔ぶれは見飽きた名前ばかりが並ぶ。それほど「人がいない」ということだが、防衛の専門家が皆無なわけではない。
前原政調会長や末松義規内閣総理大臣補佐官などは、安全保障議員協議会に役員として名を連ねる、いわゆる「国防族議員」だ。
特に民主党国会対策委員長代理の松本剛明氏は、防衛庁長官秘書官を務めた経歴を持つなど、国防についての知識は非常に高い。
こういった人材が国防のトップ就任を避けたのは、沖縄基地移転を巡り、火中の栗と化しているポストを敬遠したと見るのが妥当だろう。
国防は議員の地元に利権をもたらさず、票につながらないため、うま味が少ない分野である。
誰も拾わない熱く不味い栗を田中氏が拾ってしまったのは、唯一の肩書きである「田中真紀子氏の夫」とは別に、公式の肩書きがほしかったから、とも言われる。
迷走国会を見せられる国民がその最大の被害者となっている。
◆しんぶん赤旗
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-11-19/2007111902_03_0.html◆田中直紀
http://www.naoki-tanaka.jp/