東京大学地震研究所が新たに発表
東京大学地震研究所の平田教授らはこのほど、首都圏でマグニチュード7級の地震が起きる確率を4年以内70%から50%に引き下げた。
それでも秒読み段階
4年以内に発生する確率を70%と予想した根拠は、東日本大震災発生から同年9月までM3クラスの地震が多発したことだった。
今回、試算の根拠を12月末まで広げて計算したところ、発生確率は50%まで下がったという。
ただ、年末にかけて地震の数が減ったことがその要因となっており、今後また地震が増えれば、確率は上昇する。
来るものと想定して暮らす
観測態勢が整えられた1880年代以降、関東では6回、M7級の地震が襲来している。このうちもっとも有名なのが、1923年に発生した関東大震災である。
正午前に発生したことから、昼食の準備に火を使う人が多く、首都圏では大きな火災が発生した。
10万人あまりとされる死者のうち、9万人以上が火災によって亡くなっている。
2005年に国の中央防災会議が出した試算では、首都直下地震で「死者最大1万3千人、被害額112兆円」という数字がはじき出された。
以降、首都圏直下型の大地震は発生していないが、昨年の東日本大震災以来、活動期に入ったとされる。
いずれにしろ、数年以内に首都圏を大きな地震を襲うことはほぼ確実である。これを踏まえて、どう備えるか、意識を新たにする意味でも、東京大学地震研究所の試算は意義深い。
◆東京大学地震研究所
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/