宜野湾市に親族がいる職員をリストアップ
普天間基地移転問題に揺れる宜野湾市の市長選に向け、沖縄防衛局が職員に対し、有権者となる親族がいるか、リストの作成を指示していた。
31日の衆議院予算委員会で、共産党の赤嶺政賢衆院議員が2通のメールを公開。疑惑を追及した。
Sonata(talk / Contributions) at the Japanese Wikipedia勤務時間中に親族を集め「局長の講話」も
問題のメールは、沖縄防衛局総務課人事係から局内各部署の庶務担当者に送られたもの。赤嶺氏はそのコピーを紹介した。
メールは2通あり、1通目は宜野湾市に在住する職員とその親族をリストアップするよう求める内容。
もう1通は、リストアップされた職員・親族に対し、必ず局長の講話を聞くよう求めたもの。「講話」は1月23日、24日の勤務時間中に行われた。
選挙は病気により安里猛市長が辞職したことから実施される。事実上、県内移設に反対してきた安里市政を引き継ぐ、とする伊波洋一前市長(60)自民、公明が推す自民党県連政調会長で県議の佐喜真淳氏(47)の一騎打ちになるものと見られている。
「たいへん反省している」はどこへ?
沖縄防衛局では、昨年12月28日にも、普天間基地の名護市辺野古への移設に関する環境影響評価書を午前4時に守衛室に運び込む、という「闇討ち」を行ったことで非難された。
内閣改造で新たな防衛局長に任命された田中防衛大臣は1月末、衆議院予算委員会の集中審議で、この件について「たいへん反省している」と述べたばかり。
あまりに稚拙! 防衛は大丈夫なのか?
一連の行動を見ると、防衛をあずかる部局のモラルはさておき、戦略のお粗末さに不安を覚える。
28日早朝に朝駆けで環境評価書を運び込もうとした際も、県庁に詰めていた反対派に発見され、騒ぎになっている。
環境評価書は、それ以前に民間の宅配業者に届けさせようとして、やはり県庁舎に詰めていた反対派に阻止された経緯がある。状況を把握していれば、早朝の闇討ちが返り討ちに遭うことは予想できたはずだ。
さらに今回の選挙への介入でも、経緯があっさり外部に漏えいしている。国の防衛をあずかる部局として、能力にかなりの難がある、と言わざるをえない。
◆東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012013102000179.html◆辺野古浜通信
http://henoko.ti-da.net/e3753271.html