軽度の認知症を改善
喫煙者の禁煙補助に使用されるニコチンパッチに、非喫煙者の認知症を改善する働きがある。今月10日号のNeurology誌にこんな論文が発表された。
記憶テストの結果が向上
研究を行ったのは、米テキサス州にあるバンダービルト大学のポール・ニューハウス博士ら。
軽度の認知症を持つ非喫煙者74人を2つのグループに分け、一方にはニコチンパッチを処方、もう一方には偽薬を処方した。
15mgのニコチンパッチを6か月間継続使用した後、2つのグループについて臨床評価と記憶力テストを行ったところ、ニコチンパッチグループでは、文章記憶などに明らかな改善が見られたという。
ニコチンは血管に作用する
ニコチンが交感神経に働きかけ、血圧を上昇させることはよく知られる。その他にも、血管をコントロールする神経に作用し、血管を弛緩させ、拡張させる働きがある。
また近年、新しい血管を作る働きも報告されており、がんなどの腫瘍を成長させる要素とも言われてきた。
ニコチンに慣れていない非喫煙者の認知症患者にとって、これらの作用が記憶力などの改善につながったものと見られる。
◆現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31640◆ニコレット
http://www.nicorette-j.com/product/patch.html