太平洋セメント、三菱マテリアル
埼玉県にセメント工場を持つ太平洋セメントと三菱マテリアルが、相次いで震災がれきの受け入れを表明した。
家屋を解体した木材などを受け入れるもの。がれきは現地で破砕され、工場で焼却。焼却灰はセメントとして利用される。
岩手は埼玉より福島第1原発より遠い
埼玉県では被災地支援の一環として、がれきの受け入れ意向を示してきた。今回、2社が受け入れを表明したことで、具体的な処理に向け、計画が進められる。
受け入れを想定しているのは、岩手県久慈市と野田村で出たがれき。久慈市は福島第1原発から310km離れている。200km前後の距離にある埼玉県よりも遠い。
埼玉県では、「放射性物質による汚染は県内より少ない」と予想する。
がれきは搬入前に現地で放射線の数値が計測され、1kgあたり100ベクレル以下なら搬入される予定。
心配される「混入」と濃縮
県やセメントメーカー2社の発表通りに運営されるのであれば、心配は少ないだろう。
ただ、問題となるのががれきの「混入」だ。がれき処理には1兆円の予算が組まれており、大きなお金が動く。
搬入や処理に当たる業者の中には、岩手県で間に合わなければ、近隣から集めてでも持ち込むものが出るだろう。
食品の放射線検査と同じく、がれきが内部に含む放射性物質の量を計測するには、時間と手間がかかる。
膨大ながれきを処理する中、こういった検査が正確に行われるとは思えない。また放射性物質は燃やしても消えないため、灰として濃縮されることになる。
地元の心配はもとより、こういった「セメント」が出荷された場合、マンションや学校など、全国の建物が汚染されることも十分にありえる。
◆NHK NEWS
http://backupurl.com/dhtgyi◆太平洋セメント
http://www.taiheiyo-cement.co.jp/◆三菱マテリアル
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