杉並で発見された東電社員兼区議
東京都杉並区の区議会議員を務めながら、東京電力社員として勤務する人がいる。20日のBSN新潟放送が伝えた。
問題の議員は民主党・社民クラブの会派に所属する安斉昭氏だ
公費で東電の接待旅行に
報道以来、安斉氏のホームページやブログは閉鎖されているが、杉並区議会議員を紹介するホームページには同氏の情報が掲載されている。
BSNの取材に対して、東京電力は安斉氏に社員として給与が支払われていることを認めている。
地方自治体の議員が民間企業に勤めることについて、法的には一部規制があるものの、禁止はされていない。ただ、公私の一線が引かれていないと、企業に便宜を図る見返りに、市民にとって不利益な事態が生じることもある。
原発賛成ツアーで丸写し報告書
安斉氏については、2008年に参加した視察旅行について、主婦ら有志で作る区政の見張り番、「オンブズすぎなみ」が住民監査請求を申し立てている。
安斉氏をはじめとする杉並区議5人が、青森県六ヶ所村などの原子力発電所関連施設を2泊3日で視察したもの。
区議らは自費として3万円を支出しているが、不足分は東京電力が負担した。また自費となっている費用も、安斉氏などほとんどの区議が政調費から支出しており、いわば区民から集めた税金と、東電の接待で旅行に出かけた形だ。
視察の成果として、提出された「報告書」は、「原発は必要不可欠」と結論づけられたもの。さらにその内容のほとんどが、東電・九電・中部電力、青森県などが提供している資料の丸写しだった、と一連の事情について報じたMy News Japanが伝えた。
各地にひそむ「東電議員」
実は東京電力から「給料」を受け取りながら、それを隠して活動している地方自治体議員は他にも発見されている。
ジャーナリストの三宅勝久氏が20 日に報じたところによると、千葉県議会議員の天野行雄氏(民主党)がこれにあたる。議員報酬として1400万円を受け取りながら、東京電力からも社員としての給料を受け取っている、とのこと。
天野議員は、やはり脱原発を求める意見書の採択に反対している。
◆BSN NEWS
http://www.ohbsn.com/news/detail/zenkoku20120120_26734.php