基礎に使われた砕石で子どもが被曝
福島県二本松市の新築賃貸マンションで高い放射線値が測定された。原因は浪江町の砕石場から出荷された石を基礎のコンクリートに使用しているため、と見られる。
健康診断で同マンションに住む子どもの被ばく量が異常に高いことから、マンションを調査し、汚染が判明した。
またしても「ただちに健康に影響の出るレベルでは」
同マンションの1階では、最大で毎時1.24マイクロシーベルトの放射線量が確認されている。
年間被ばく量にして約11ミリシーベルト程度となり、政府が除染の基準としている年間1ミリシーベルトを大きく上回る。
内閣府原子力災害対策本部は例のごとく「健康に直ちに影響が出るものではない」との見解を示した。
事故直後に枝野官房長官が連発したフレーズだが、その後の国会質問で同氏は「一般論として申し上げたのではない」と開き直って見せた。
基準値超えの牛乳を摂取しても「ただちに健康に影響が出るものではない」と述べた真意についても、後に予算委員会の答弁の中で「『基準値超えの食品を一度か二度摂取した場合』に限られる」と説明を加えている。
これをもとに考えるなら、内閣府原子力災害対策本部が発する同フレーズも、「1、2日程度居住する分には安全」という意味として理解すべきだろう。
経産省、地元の訴えにも調査せず
マンションの汚染については、先月28日に地元の福島県二本松市が、所轄官庁である経済産業省に対して可能性を指摘した。
経済産業省では当初「可能性は低い」として調査を行わず、今月10日前後になって、やっと調査に乗り出した。
コンクリートはセメントと水、砕石を一定比率で混ぜて硬化させたものだ。経済産業省ではセメントのサンプルを調査した結果、放射線量が低かったため、マンションの汚染はない、と判断したという。
「何が原因なのか分からないなかで、砕石場の石には注目できなかったが、調査が遅れたという認識はなく、スピーディーに対応したつもりだ」(経産省コメント・NHKサイトより抜粋)
3つしかないコンクリート材料のうち、1つだけを検査して、「なにが原因か分からない」と判断したようだ。
◆NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120116/t10015309501000.html