ネットでは8割の中国人が「非は韓国にある」
12日に発生した中国漁船船長による韓国海洋警察官死傷事件について、両国間で不穏な応酬が続いている。
中国ネット上で行われたアンケートでは、81%の中国人が「韓国警察に責任がある」と答えた。
かわいそうなのは中国漁民?
事件は12日、仁川(インチョン)小青島(ソチョンド)沖で発生した。違法操業をしていた中国漁船を拿捕しようとした韓国海洋警察のイ・チョンホ警長(40 )が中国船の船長、程大偉(42)に刃物で刺され死亡した。
中国は当初、逮捕された船長の人道的待遇を要求。遺憾の意が表明されたのは、その後だった。
中国のネットニュース「人民網」はこの事件に対する韓国の報道を「過剰報道」と報じた。
さらに中国の正当性を日本の報道も認めた、との論調でテレビ朝日の「中立的な論評」を掲載した。
「韓国海域で凶行に及んだ中国漁民が処罰されるのは当然だが、中国漁民にもやむを得ない部分が多々ある」。テレビ朝日の12日のこの論評は「中立的」に思われる。「中国経済の急成長が海洋汚染を招いているのは紛れもない事実だ。これに中国漁船の乱獲も加わり、中国近海の漁業資源は深刻なダメージを受けている。漁師らは生活のため危険を冒すほかない」(「人民網」より抜粋)
さらに中国漁民が凶暴化する原因の一端も韓国側にあるとした。漁民管理不足を韓国側から批判され続けた中国が違法操業に対する処罰を強化。その結果、漁民の暴力的犯行が激化している、というのだ。
人道的に遺体を引き取らない中国
黄海を巡る韓国と中国の漁業権争いは、年々激化している。昨年12月には、警備艇に船をぶつけた中国人船長が死亡するという事件が発生した。
遺体は1年を経た現在も韓国、全羅北道群山市(チョンラブクド・クンサンシ)中央葬儀場の安置室に保管されている。
韓国側は、再三引き取りを要請しているが、今回の事件で自国漁民に対して「人道的待遇」を求める中国は、船長の遺体引き取りを拒否しているという。
保管費用は1日あたり15万ウォンが発生しており、現時点では5000万ウォン(約336万円)を超える。この費用を支払えば、非を認めたことになる、というのが中国側の考えだという。
◆人民網
http://j.people.com.cn/94474/7676446.html◆韓国海洋警察
http://wrms.kcg.go.kr/sebf?index=wlh.moveIndex