官民あげてのアイドルあつかい
16日に打ち上げられた中国の有人宇宙船、神舟9号に搭乗した中国初の女性宇宙飛行士、劉洋氏(33)をめぐる中国の報道が、過熱迷走している。アイドルあつかいが進む中、新華社通信が掲載された顔写真には、合成疑惑まで持ち上がった。
中国全土が熱狂
中国初となる女性宇宙飛行士は、人民解放軍パイロット15名の中から選抜された。劉氏が選ばれるにあたっては、既婚、25歳以上、出産経験あり、歯が白く体臭がない、アザがない、などの条件が求められた。
結婚や出産経験を問うのは、精神的な安定度合いが重視されたため。体臭の有無は狭い宇宙船内での生活を考慮したためだ。
さらに歯の白さやアザの有無までが条件とされたのは、官民挙げてアイドル化するために、容姿を重視したものとみられる。
実際、中国では報道が過熱しており、メディアに追いかけ回された劉氏の親族が山に逃げ込む、という騒ぎに発展した。
なぜか合成写真を掲載
こういった騒動の中、新華社通信に掲載された写真をめぐって中国のネット上では「合成疑惑」がささやかれている。
軍服姿の劉氏を撮影した証明写真と宇宙服姿の写真を比較したところ、表情はもちろん、髪の毛1本の流れ方まで同じとなっているためだ。
宇宙服姿の写真は軍が撮影したものといわれるが、合成写真を利用したことについて、「よほどよい写真が撮れなかったのか」とネット上で話題になった。
このネタをあつかいった掲示板は当局によって削除されており、中国当局の神経質な対応がうかがえる。
◆多維新聞
http://china.dwnews.com/news/2012-06-18/58763174.html