キラキラネームはかわいそう
歌手の宇多田ヒカルさんが24日、自身のTwitterでキラキラネームをつけられた子どもについて、「ちょっとかわいそうだなと思う」とコメント。賛否両論が集まる中、26日の「News ポストセブン」には、「大手企業役『正直キラキラネームの学生の採用ためらう』」とする記事が掲載された。
決めるのは子ども 最低な考え
宇多田ヒカルさんがTwitter上に発したコメントは次の通り。
最近日本では風変わりな名前の子供が多いらしいけど、絶対読めない名前とか、日本語っぽくない名前とか、ちょっとかわいそうだなと思う。親御さんたちは愛情をもって名付けたんだろうけど…
宇多田さんのTweetに対して、「可哀想か可哀想ぢゃないか、決めるのは子供だょ。最低な考え」とのコメントも寄せられた。
読めない「光宙」「姫星」
キラキラネームは、暴走族が使用する当て字や、漫画・アニメキャラの名前からとったものが多く、漢字で書かれた名前を正しく読むことが難しい。
フジテレビ「笑っていいとも」などで紹介されたものでは、「光宙(ぴかちゅう)」「姫星(きてぃ)」「七音(どれみ)」などがある。
子どもにとっては、「初対面で笑われる」など、精神的な苦痛を感じることが多く、小児うつの原因になる、と語る専門家もいる。
就職では不採用の原因にも
26日付けの「Newsポストセブン」では、大手銀行の人事担当者のコメントとして、こういったキラキラネームが理由で採用されないこともある、と紹介した。
「そういう名前を付ける親御さんの“常識”はどうしても本人に影響してしまうからね」とのこと。取材対象となった会社では、過去にキラキラネームの新入社員が実際にはなかった「上司のいじめ」を理由に退社。社員の両親に補償を求められたケースがあるという。
キラキラネームは孤立の象徴
2011年12月にベネッセコーポレーションが発表したデータによると、親が子どもに対してつけたい名前のイメージは、1位「優しい・思いやり」となっている。
2位以下は、男女によって異なり、男の子の場合には2位「健康・元気な」、3位「素直・まっすぐ」。女の子の場合には2位「愛し・愛される」、3位「美しい・きれい」といったイメージがランクされる。
キラキラネームにも、こういったイメージを象徴したい、という思いは読み取れる。ただ名前の使い勝手などを総合的に考えられるだけの社会経験などが不足するため、単純な思い込みを根拠に、名前を選んでしまうのだ。
親にある程度の判断力が備わっているか、あるいは親族や近隣と交流があれば、そういった命名はなされなかった可能性は高い。キラキラネームは親自身の恵まれない環境を象徴するものといえる。
もちろんそういった環境から立派に育つ子どももいるが、確率的には平均より低くなる。企業がそういったリスクを避けるのは、当然のことである。
◆NEWS ポストセブン
http://www.news-postseven.com/◆宇多田ヒカル Twitter
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