県ごとの増加率を発表
昨年3月に発生した東日本大震災は、地震保険の契約件数にも大きな影響を与えた。損害保険料率算出機構が18日に発表した2011年における都道府県別の契約件数から、地域ごとの影響度合いが読み取れる。
増加率上位5位は被災地
2011年度末の地震保険保有契約件数は、1,408万8,665件で、前年比10.5%の増加がみられた。震災からちょうど1年目にあたる2012年3月の新契約件数は108万74件。前年同月比108.3%増となっている。
県別でみると、前年度末比で増加率が最も高かったのは、福島県の51.3%増だった。2位以下も宮城県(30.1%増)、岩手県(23.7%増)、山形県(22.4%増)、茨城県(22.1%増)と地震によって大きな被害を受けた地域が続く。
保険契約増は復興のバロメーター
地震保険は単独加入できないため、火災保険加入時に一緒に入ることが多い。3月に前年同月比が100%を超えたのは、地震発生により2011年3月の不動産購入が激減したためとみられる。
増加率上位に福島や宮城、岩手、茨城などが並んだのは、震災により破壊された住居を再建するため、新規の不動産建築や購入が相次いだためだ。
復興特需と呼ばれる経済効果が、たしかに存在することがうかがえる。逆に地震保険の増加率が低かったのは、高知県(4.6%増)、広島県(4.9%増)、北海道(6.2%増)、愛知県(6.3%増)、宮崎県(6.3%増)、鹿児島県(6.3%増)などだ。
いずれも被災地から距離的に遠く、復興特需の恩恵を受けにくいものと考えられる。
◆損害保険料率算出機構
http://www.nliro.or.jp/news/2012/120618.html