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2024年11月23日(土)
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「あこがれるからダメ」暴力団情報雑誌撤去裁判で作家が敗訴

「あこがれるからダメ」暴力団情報雑誌撤去裁判で作家が敗訴

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コンビニに暴力団書籍の撤去を要請
暴力団関係の書籍を店頭から撤去してほしい。福岡県警からコンビニ各社に出された要請に対し、「表現の自由を侵すもの」として作家の宮崎学さんが提訴していた。13日、同裁判の判決が下され、宮崎さん側の請求が却下された。
暴力団
青少年があこがれを抱く
福岡県警は2009年、暴力団関係の情報を扱う雑誌や書籍について、「暴力団が美化されており、青少年があこがれを抱く危険性がある」として、県内のコンビニに対して、店頭から撤去するよう要請した。

これを受け、コンビニ各社では、雑誌や漫画などの販売を取りやめた。作家、宮崎学さんが原作を担当するコミックも含まれていたため、宮崎さんは「表現の自由を侵す行為」として550万円の賠償請求を求める訴訟を起こした。

福岡地裁は県警による要請が強制力をともなわず、青少年への影響を考えると妥当な行為である、と認定。宮崎さんの請求を却下した。

ガチンコ勝負の土地柄
同様の書籍やコミックは全国的に販売されている。福岡県警だけが撤去要請を行った背景には、同県における暴力団とのガチンコ関係が大きく影響しているものとみられる。

同県では、指定暴力団道仁会の会長人事を巡る抗争が、6年来続いている。また武闘派といわれる指定暴力団工藤會が大きな勢力を持っており、同組織が関与したとみられる民間への脅迫事件などが後を絶たない。

昨年3月には、九州電力会長、西部ガス社長宅に連続して手榴弾が投げ込まれた。今年4月には、同県警で暴力団捜査にあたってきた元警部が銃撃された。

一般的には「抗争を起こせば警察につけこまれて弱体化する」、「警察官を襲撃すれば、相応の報復を受け、組の存続も危ぶまれる」という認識が暴力団側にも存在するが、福岡ではこの常識は通用しない。

警察の努力は実るか?
無法地帯ともいえる状況に、福岡県警は各都道府県警に協力を要請。機動隊員の派遣を受けるなどして、県内の警備にあたっている。
県警のホームページ上では、手榴弾について紹介し、威力や対処法をレクチャー。逮捕した暴力団員について、氏名や住所など個人情報を流す「速報」も配信する。

14日には、新日鉄八幡製作所の関連工事に不正に労働者を派遣したとして、工藤會系の組長などを逮捕した。容疑は労働者派遣法違反。

ガチンコの対決姿勢をみせる暴力団に対して、回りくどい戦略だが、書籍の撤去要請ですら訴えられる中、福岡県警にとっては苦肉の策といえる。

外部リンク

◆福岡県警察
http://www.police.pref.fukuoka.jp/keiji/keiso/bomb.html

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