高齢での子作りにメリット?
高齢時に子どもや孫ができる父親や祖父は、子どもや孫の長寿を約束する。こんな研究結果が11日、米国科学アカデミー紀要の中で発表された。
高齢者の子どもはテロメアが長い
従来の研究では、父親が高齢の場合、生まれてくる子どもに遺伝的な悪影響を生じることが多いとされてきた。父親の高齢化と統合失調症やダウン症のリスクがリンクすることはよく知られている。
今回の研究では逆に、父親や祖父が高齢な子どもほど、染色体のテロメアが長いことが判明した。テロメアは染色体の末端にあたる部分。細胞分裂のたびに短くなり、一定以上短くなると、細胞はそれ以上分裂できなくなる。
テロメアが長いことは、一般に長寿を意味し、短ければ老化による健康問題を生じやすくなる。
結局は金持ちだから?
研究をおこなったのはノースウェスタン大学のダン・アイゼンベルク氏ら。フィリピンで家族構成とテロメアの相関関係を調べたところ、高齢で父親や祖父になった人の子孫では、テロメアが長くなる傾向がみられたという。
研究者らは、高齢でも子どもを作れる「よい環境」が、その子孫にも受け継がれるためでは、と推測する。
テロメアはストレスなどによって短くなることがわかっている。高齢でも子どもを作れる経済的、社会的に恵まれた環境では、ストレスも少なく、テロメアの損傷もより小さくなるものと考えられる。
◆healthday
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665633