クビになったら、せめて…
雇用者の約半数は「もし突然解雇されたら、会社のデータを盗み出すだろう」と考えている。こんな調査結果をデジタル情報管理の専門企業「サイバーアークス」が発表した。
「正直者」は54%だけ
アンケートの対象となったのは、北米、ヨーロッパ、中東でIT関連の職に就く雇用者820人。「もし明日付での解雇を言い渡されたら、職場からなにか持ち出すか?」との質問に対し、54%は「なにも持ち出さない」と回答した。
それ以外の雇用者は、さまざまなアイテムを持ち出すだろう、と認めた。特権的なパスワードや、会社のデータベース、研究開発情報、有価証券報告書などがその対象にあげられた。
「正直者」は年々増加?
深刻な不安を覚えるデータだが、2010年からの動向をみると「なにも持ち出さない」と答える「正直者」の数が増加している。
2010年、2011年ともに30%台だったのが、2012年には54%と急増がみられた。セキュリティ意識の高まりにより、盗みたくても盗むのが難しい状態を会社などの組織が確立しつつあるためと思われる。
日本でも注意が必要
会社内で働いていると、日々の業務を円滑に進めるために、本来はアクセスする権限のない情報のパスワードなどをしばしば教えられる。
終身雇用が前提であった時代には、こういった運用でも特に問題が発生することは少なかったかもしれない。昨今は、契約社員など会社に忠誠を尽くすモチベーションを持たない雇用者が増加しており、情報管理について従来より高い意識が求められる。
サイバーアークスの調査でも、回答者の71%がセキュリティ上の脅威は内部にある、との認識を示している。
◆threatpost
http://threatpost.com/en_us/blogs/employees-admit-theyd-walk-out-stolen-data-if-fired-061212