大半の自動車保険にセットされているが
自動車保険の約半数には、事故などの際に弁護士費用をまかなえる「弁護士費用保険」がセットされているが、利用率は0.05%にとどまっている。1日の「サンケイビズ」が報じた。
もらい事故は被害者自身が示談交渉
一般的に、自動車保険に加入していれば、事故の際には保険会社が示談交渉などにあたってくれる。この役割を期待して保険に加入する人も多いが、停車中の追突事故など、もらい事故の場合、被害者が加入している保険会社は交渉を代行できない。
保険金の支払いが生じないため、被害者の加入している保険会社には利害関係がないためだ。弁護士法では利害関係がない第三者の交渉介入について、弁護士以外が行うことを禁じている。
このため、被害者自身が加害者や加害者の加入している保険会社と示談交渉を行うことになる。加害者側に誠意がみえないときには、訴訟沙汰も視野に入れる必要があるが、賠償として得られる金額より弁護士費用の方が高額になることも考えられる。
知られていない「弁護士費用保険」
上記のような場合に利用できるのが、弁護士費用保険だ。示談交渉や訴訟などを弁護士に依頼した際、その費用を保険でまかなうことができる。
聞き慣れない人も多いかもしれないが、自動車保険の特約として組み込まれており、2010年の契約件数は1,430万件以上と総世帯数の3割上にのぼる。大手の保険会社が販売する自動車保険では、約半数に組み込まれているという。
普及が進んでいるにもかかわらず、利用件数は非常に少ない。2010年度の利用件数は契約件数の0.05%に満たないという。
被害者が直接交渉するより、弁護士に依頼した方が、より多くの賠償を得られるケースも多い。メリットの大きな保険だが注意点もある。
保険でまかなわれる弁護士費用は、一般に300万円を上限と定められている。弁護士費用は自由裁量なので、裁判などが複雑化すると、これを超える場合がある。
◆SankeiBiz
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/120601/ecc1206010616000-n1.htm