燃料供給元の社外取締役に
福島第一原発事故時に社長を務めていた東京電力の前社長、清水正孝氏が石油会社の社外取締役に迎えられる。この人事にみんなの党、衆議院神奈川17区支部長の井上よしゆき氏は、原発再開への陰謀を疑っている。
賠償原資にもあてなかった株式
清水正孝前社長は、昨年3月に発生した福島第一原発事故時に社長を務めていた。事態が悪化した原因のひとつに、同氏の判断の遅れや判断ミスが指摘されており、今も避難を余儀なくされている福島県民にとっては、責任を追及すべき対象となっている。
その清水氏が富士石油の社外取締役に迎えられることとなった。富士石油はアラビア石油などとともにAOCホールディングスの傘下にある。
東京電力はAOCホールディングスの株8.7%を保有する筆頭株主であり、実質上この人事は東電の意向によるものといえる。
AOCホールディングスは清水氏のほかにも、東京電力の武井副社長や荒井隆男常務などをそれぞれアラビア石油の社外監査役、富士石油の常勤監査役に迎える。
巨額の賠償義務を負う東京電力が、AOCホールディングスの株式を売却して原資の一部としなかったのは、退職後の天下り先を確保したい意向が優先されたものと思われる。
原発再開への道筋
AOCホールディングス株式を手放さなかったことには、さらなる疑念も囁かれる。火力発電用に購入する原油の価格操作を行うためではないか、とする声だ。
利用者への値上げを通告する中、少しでも安く燃料を購入するのが常識だが、東電側にもこれを高く維持することで、電気料金値上げの理由にできる、というメリットが大きい。
利用者が電気料金の高騰に耐えられなくなれば、原発の再稼働がやりやすくなる、との魂胆を井上よしゆき氏はブログの中で指摘する。
事実上の国有化がなされても、東京電力のやりたい放題は止まらない。民主党政権にはそもそも止める意志がない、ということだろう。
井上よしゆき ブログ
http://ameblo.jp/inoue-yoshiyuki/page-4.html#main