市役所が出したのだから不正ではない
お笑いコンビ「次長課長」の河本準一が母親に生活保護費を不正受給させていた疑惑で、今度は「姉が逆ギレした」とネット上で話題になっている。今週発売される「週刊現代」に、市役所が認めたのだから不正ではない」とのコメントが掲載されたためだ。
片山さつきは「後で謝ることになる」
週刊現代の記事によると、河本母の生活保護費受給が始まったのは、健康を害した約10年前だという。当時の河本は収入が少なかったため、扶養能力がないとして生活保護費の受給が認められた。
その後、収入が増えた河本が母親を東京に呼ぼうとしたが、母親が拒否した、とのこと。
河本姉は「母がイヤだと言うのだから仕方ないでしょ」とコメントしている。
また片山さつき議員などが調査していることについては、「いいんじゃないですか、徹底的にやれば。でも、後で謝ることになるんじゃないですか」と語る。
10年前に取得した「権利」を継続しているだけで、不正呼ばわりされるのは心外、というのが、河本姉の考えであるようだ。
「びっくりして」受給を辞退
河本準一の疑惑が長く関心を持たれている理由はいくつもある。大手マスコミがほとんど報じないため、ネット上で小出しの情報が続いてきたこと。河本の出自に北朝鮮や在日朝鮮人との関係が感じられるため、嫌韓ブームにもつながること。
また河本や所属する吉本興業が、いっさいなにも語ってこなかったことも、憶測を呼び、あるいは「なぜ疑惑を晴らそうとしないのか? もしくは謝罪しないのか?」といったいら立ちを募らせる要因となってきた。
そんな中、新しい話題が出ず、報道が下火になりかけたタイミングを狙ったかのように、吉本興業がツッコミどころ満載の釈明文を発表して、騒動に油を注いだ。
今回はさらに、いよいよ親族である「姉」の登場である。期待を裏切らない開き直りぶりをみると、騒動を支えるのが河本家の特異なキャラクター性であることを再認識させられる。
片山さつき議員によると、同議員のもとを訪れた吉本興業社員は、河本の母親が5月から
生活保護費の受給を辞退した、と説明したらしい。報道に「びっくりした」ためだという。
「びっくりした」ら辞められるのである。そんな恵まれた状況にある人が受給してはいけない、という常識の欠如が河本姉のインタビューからも読み取れる。
落としどころが見えない河本疑惑
疑惑が初期の段階であれば、事態の収束は簡単だったはずだ。事実であれば認め、謝罪する。返済できるのであれば返済する。そういった対応があれば、数か月の謹慎程度で事態を収めることが可能だった。
現在は自民党のプロジェクトチームが正式に動き出し、国会への招致もありうる状況となっている。
河本準一自身、熱心にコメントを書き込んでいた自身のTwitterを更新できずにいる。批判コメントの削除作業だけを懸命に継続しているさまは、沈みゆく船から水を掻き出しているかのごとくである。
吉本興業も含めて、わざと盛り上げているのか、と疑いたくなるほどの下手くそな対応だ。ともあれ、この疑惑によって年間予算3兆7,000億円という生活保護の実態に国民の目が向かうとしたら、河本準一の功績は大きい、といえる。
◆河本準一 Twitter
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