証明 ビタミンCに降圧効果
これまでさまざまな研究で、ビタミンCには血圧を下げる効果がありそう、と予想されてきたが、科学的証明にはいたっていなかった。米ジョンズホプキンス大学の研究者らはこのたび、多数の研究をとりまとめ、ビタミンCが降圧作用を持つことを正式に証明した。
抗酸化作用で交感神経を抑制
人間の身体は覚醒や興奮状態を引き起こす交感神経と、リラックスさせる副交感神経によりコントロールされている。交感神経が強くはたらくと、血管が収縮し、血圧は上昇する。
ビタミンCは強い抗酸化作用を持つことで知られる。この抗酸化作用により、酸化ストレスを抑制。ストレスによって活発化する交感神経のはたらきを抑えることができるという。
イタリアのピザ大学でおこなわれた研究では、ビタミンCを静脈注射した高血圧患者で、平均7%の降圧効果がみられている。交感神経のはたらきも、11%抑制された。
高血圧患者でより大きな効果
今回、研究の解析をおこなったStephen P. Juraschek氏は、過去におこなわれた29の研究を対象とした。ビタミンCの投与量は500mg/日、投与期間は8日がそれぞれ中央値だった。
一般人では、ビタミンCの投与により、最高血圧で3.84mmHg、最低血圧で1.48mmHgの低下がみられた。高血圧患者の場合には、それぞれ4.85mmHgと1.67mmHgに低下幅が拡大した。
◆American Journal of Clinical Nutrition
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/22492364