「個人の重大なプライバシー上の問題」
お笑いタレント、河本準一の親族が生活保護費を不正に受給しているのでは、との疑惑は1か月以上にわたりネット上を賑わせてきた。この間、河本本人はもちろん、所属事務所である株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー、も「沈黙」を貫いてきたが、政治が動いたことで、ついに16日、よしもとが逆ギレ的な釈明文を発表した。
自民チーム正式に始動であわてて釈明
当疑惑4月半ば、「女性セブン」が最初に報じた。以降、大手マスコミが完黙する中、主にネットニュースで報じられてきたが、その間、河本本人も株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシーもいっさいコメントを発さず、無視を貫いてきた。
いずれ火が消えるまで、だんまりを決め込むつもりだったものと思われるが、近日になって、自民党所属の片山さつき議員がこの問題を政治問題として取り上げることを発表。自民党の生活保護問題プロジェクトチーム座長、世耕議員も参戦を表明した。
疑惑報道から1か月を経て、ようやくよしもとが釈明文を発表したのは、黙ってやり過ごす姿勢では、非難の声が高まるばかり、とようやく判断したためだろう。
扶養義務をあえて誤解してみせる吉本
よしもとが発表した釈明文には、生活保護制度そのものをあえて「誤解」している節があちこちにみられる。
生活保護費の支給については、河本が無名の時代に開始されたものでありますが、河本本人は、なるべく親族に負担をかけることがないよう、そして、いつかは生活保護に頼ることなく自分の力だけで養っていける状況にできるよう、担当の福祉事務所などとも相談しながら、懸命に努力してまいりました。現在は、生活保護費を受給しておりません。
その象徴が上記の一節だ。「なるべく親族に負担をかけることがないよう」血税を利用することは、倫理的に認められないだけでなく「不正行為」である。
また「いつかは生活保護に頼ることなく」というが、年収が数千万円に上ってもなお生活保護に頼るのであれば、どのクラスの芸人に登り詰めたとき、受給をやめてくれるのだろうか?
「現在は、生活保護費を受給しておりません」というが、片山さつき議員に対する「日刊サイゾー」のインタビューによると、受給を停止したのは問題が大きくなった今月からのことである。
「不正行為はなかった」というが
よしもとは河本準一の親族が生活保護費を受給していた件について、不正行為はなかった、と断じているが、客観的にそう判断できる情報はいっさい開示されていない。
河本準一の年収、母親の生活保護費受給状況などを開示すればよいだけだが、当該情報については「重大なプライバシー」として、かたくなに明かさない。
そんな中、疑惑が報じられることについて「大きな精神的負担」と評するのは、お門違いだろう。片山さつき議員のインタビューによると、母親だけでなく、他の親族も含め1000万円以上の受給があった、との疑惑も浮かんでいる。
公の媒体で、母親などについて語ることを業務の1つとしてきた以上、プライバシーより疑念の払拭を優先すべき、と考えられるのは当然だ。
不正のないことが明確に示されれば、当サイトのような「一部の心ないネット媒体」も、すぐに謝罪し、河本準一が公にネタにしたり著書に書いたりしているとおり、母親を大切にする芸人であった、と伝える。謝罪の準備はできている。
◆吉本釈明文
http://www.yoshimoto.co.jp/cmslight/resources/1/108/120516.pdf