寄付金は着々と集まっているが
日中韓首脳会談でも話題の1つとなった尖閣諸島を東京都が購入すべく、寄付金を募っている。14日現在、寄付金の総額は6億円を突破しているが、購入にあたっては所有者、民主党政権、中国などの思惑も絡み、成否は不明だ。
ことを荒立てたくない野田政権
尖閣諸島は沖縄県石垣島の北方約130kmの地点にあり、5つの島と4つの岩場で構成される。日中が所有権を主張する渦中の島だが、大正島以外の4島は個人の所有となっている。
4島を所有するのは、埼玉県在住の実業家、栗原国起氏(69)。2002年からは総務省と賃貸借契約を結び、現在は国が借り入れる形になっている。
登記上の所在地は沖縄県石垣市となっているため、固定資産税は毎年石垣市に納められる。2010年には、石垣市議会が固定資産税課税のため実地調査を国に求めた。土地の状況などは年々歳々変化するため、課税基準となる状況を調査するのは通常の行政手続きである。
2011年に総務省はこれを拒否。理由として尖閣諸島の「平穏かつ安定的な維持及び管理」をあげる文書を石垣市議会に対して送付した。
ここでいう「平穏かつ安定的な維持及び管理」とは中国政府との間に波風を立てないことを意味する。
4,600万円が350億円に?
今回、尖閣諸島を購入するにあたって、売り主となる栗原家にも事情がある。かつて外国企業から350億円という巨費で同諸島の売却を求められた際には、これを断ったという。
ただ、近年は展開してきた冠婚葬祭事業の経営状況が悪化。日蓮宗の一派、顕正会に建物を貸すなどの事業展開も行ってきたが、結局長続きしなかったといわれる。
ちなみに、1970年代に栗原家が尖閣諸島を購入した価格は4,600万円だったとされる。さまざまな状況を考慮して、売り主がどのような値段をつけるのか、先行きには不透明感が漂う。
◆東京都尖閣諸島寄附金 受付状況
http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/senkaku_kifu.htm