連結利益で過去最高益
大手菓子メーカーの亀田製菓(新潟市)は4月に韓国食品メーカー「農心」との業務提携を発表して以来、ネット上で過激なバッシングに遭っている。そんな中11日に発表した2012年3月期の決算では、過去最高益を更新した。
沈黙のブログ
海外展開を狙う亀田製菓は先月、米国で大規模展開する韓国の食品メーカー「農心」との提携を発表した。
ところがこの提携が折からの嫌韓ブームのターゲットになり、ネット上で激しいバッシングを受ける羽目に陥る。
農心の商品に過去、「ネズミの頭」や「虫」などの混入があったことから、消費者やファンとの交流窓口であった公式ブログには、「残念」とする声や「もう買いません」とする不買宣言などが殺到。ブログは沈黙を守ったまま更新されていない。
拡大するバッシング
頭を下げてやり過ごす作戦とも思えるが、バッシングの火は広がるばかりだ。星の数で評価されるAmazonのレビューでも、悪評価が集中している。
主力商品の1つである「亀田の柿の種 260g×12袋」を見ると、5月14日現在、全体の評価数119件のうち102件が裁定評価の「星1つ」となっている。
柿の種の割合が丁度よくて、夜にTVでも見ながらボリボリやるのが大好きだったんですが。ネズミの頭やら虫やら混入させて輸入禁止くらうような「韓流」企業と心中する積もりだったら、今後は当該製品に限らず亀田の製品は一切購入しません。好き嫌いの問題も勿論大きいけど、一番の理由は「自衛のため」。悪しからず。(Amazonレビュー抜粋)
農心と生産ラインを共有する、と発表しているわけではないので、過剰反応と思えるレビューが多いが、いずれにせよ国内市場にとっては大きなマイナスといえる。
節約志向で過去最高益
そんな中、11日に発表された2012年3月期の連結決算では、前期比7.9%増の22億7,700万円と過去最高益を記録した。3年連続の最高益更新となる。
売上高は1.3%減だったが、「亀田の柿の種」「ハッピーターン」など、利益率の高い商品がよく売れたためという。
国内市場の伸び悩みを懸念しての海外展開と、そのために締結された農心との協力関係だったはずだが、皮肉にも好調の国内市場に冷水をかける結果となりそうだ。
◆亀田製菓
http://www.kamedaseika.co.jp/