米デューク大学の研究者が発表
いじめや暴力などによりストレスを受けた子どもは老化速度が速くなる。こんな衝撃の研究結果を米デューク大学の専門家が発表した。
いじめ・暴力でテロメアを消耗
遺伝子にはテロメアと呼ばれる部位がある。テロメアは細胞分裂するごとに失われ、ある一定以上テロメアが短くなってしまうと、細胞はそれ以上分裂できなくなる。
残りの分裂回数を決めることで細胞的な年齢を決めるのがこのテロメアだ。
喫煙や肥満、メンタルヘルス障害、ストレスなどによって失われることが知られている。
実際、たばこを吸う人や肥っている人、精神的な障害を抱えている人、ストレスにさらされている人では、老化が早くなる。
今回の研究では、子どもがいじめや暴力にさらされた場合も、テロメアが失われ、老化が加速されることがわかった。
子どもを守ることで医療予算削減
研究を行ったのは、デューク大学で心理学および神経科学の博士号を取得しているIdan Shalev博士。
博士は1990年代にイギリスで約1,100組の双子からDNAを採取し、家庭環境を追跡調査した結果を分析した。
その結果、家庭内暴力など2種類以上の暴力にさらされている子どもでは、著しくテロメアが失われていることが判明した。
「子どもたちを保護することで、糖尿病や心臓病、痴呆症など老化に関係する疾病治療に費やされた医療費を節約することができるかもしれない」と研究者は語っている。
研究は4月25日付けの「Molecular Psychiatry」誌に発表された。
◆healthday
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=663986