母親の肥満が子どもに影響
肥満が重大な社会問題となっている米国で、肥満状態の母親から生まれた子どもは、自閉症になるリスクが67%も高まる、という研究結果が発表された。言語障害のような発育遅延も2倍以上に高まるという。
BMI30以上は要注意
研究を行ったのは、カリフォルニア大学の研究者Paula Krakowiak氏。
2003年から2010年にかけて、1,000人以上の子どもを対象に、母親の肥満状態と自閉症やその他の発育遅延との関係を調査した。
その結果、身長に対する体重の比率を示すBMIが30を超える母親から生まれた子どもでは、自閉症や発育障害などのリスクが高まる傾向が確認された。
米国では出産適齢期の女性のうち1/3が肥満しており、9%が糖尿病を持つ。今回の研究で、妊婦の糖尿病が発育遅延と関係することもわかった。
研究結果は4月9日に「Pediatics」オンライン版5月号に発表された。
原因は肥満による炎症タンパク質?
今回の研究では、統計的に肥満と自閉症や発達遅延との関係が指摘されているが、原因はよくわかっていない。
研究者は肥満により発生する炎症タンパク質、サイトカイニンが胎児の脳にダメージを与える可能性を指摘している。
日本では現在、肥満治療に保険が適用されるのは、一般にBMIが35を超えており、肥満により高血圧や高脂血症、膝、腰痛、無呼吸などの疾患が生じている場合に限られる。
今後は妊婦についても、薬物を用いないダイエット法を保険適用とすべきかもしれない。
◆healthday
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=663392