スマートメーターを国際入札に
東京電力が3月12日に説明会を行ったスマートメーターの国際入札について、批判の声が続々と上がり始めている。説明会は70社以上が参加する盛況だったが、入札できる企業はすでに決まっている、というのだ。
互換性なし、ただ情報を送るだけ
スマートメーターは電気の使用状況などをデジタル情報化するものだ。すでに世界各国で利用されている。
電力会社にとっては、回線を通じて検針が行えるメリットが大きく、消費者にとっては、電気の使用状況を季節や時間、家電製品ごとに知ることができれば、節電効率を高められるメリットがある。
ところが今回東電が求めた仕様では、各家庭の電気使用状況を30分ごとに送信するだけの原始的なものとなっている。
既存4社が圧倒的有利な出来レース
国際入札をうたった入札のシステムそのものを疑問視する声も高い。
米GEや中国などのアジア勢、日本からはソフトバンクなども説明会に参加したが、もともと東電にメーターをおろしている既存4社(東光東芝メーターシステムズ、大崎電気工業、三菱電機、GE富士電機)が圧倒的に有利な状況となっているためだ。
東電が説明会で配布した「仕様書案」にはサイズや性能はもちろん、非常に細かい規格が並んでいる。
各社はこの要件を満たす完成メーターを提出する必要があるが、そのスケジュールは非常にタイトに設定されている。
東電と共同で仕様を作った既存4社はすでに、これらを製造する体制を持っているが、新規参入する企業は、新たに資金を投入して、スケジュール内に試作品を完成させる必要がある。
こういった条件ゆえ、多くの企業がトライする前にあきらめるものとみられている。
なぜか新たに光ファイバー網も
また、東電はこのスマートメーターを運用するにあたって、新たな光ファイバー網を設置する予定だ。
NTTなどが保有する既存の回線を使えばすむにもかかわらず、セキュリティなどを理由に、自前の回線設置にこだわっている。
このコストだけで1,100億円のコストを見込んでおり、電気料金の値上げに際して低姿勢を見せつつ、浪費体制をあらためる気はまったくないようだ。
◆東京電力
http://www.tepco.co.jp/index-j.html