派閥の離合集散
消費税増税を巡り、29日30日にかけて、民主党、国民新党などで、分裂が一気に加速した。
すでに新党を模索する動きも見られており、目が離せない。
代表が孤立する国民新党
国民新党では、亀井静香代表が「国民との約束を破るわけにはいかない」として連立政権からの離脱方針を明らかにした。
これに対して国民新党から内閣に加わっている自見庄三郎郵政改革担当相は「国民新党として増税法案に署名する」と明言した。
自見郵政改革担当相は小泉政権時にも党の取り決めに造反した過去を持つ。
8人いる同党所属議員のうち、亀井静香代表に賛成するのは亀井亜紀子政調会長だけ、という状況に陥っており、亀井代表らは石原都知事を党首とする新党結成への動きを加速するものとみられている。
小沢派造反vs解散総選挙
政権与党である民主党内では、小沢一郎元代表の派閥に属する政務三役が、いっせいに集団辞任する方針を29日に固めていたが、30日になって辞任は個別に判断する方針へとトーンダウンした。
民主党の輿石東幹事長は29日、消費税増税法案には党議拘束がかかる、とコメントしており、反対を表明した場合には、処分が検討される。
一連の動きは、大量造反を武器に消費税増税法案提出を止めたい小沢派と止めるなら解散総選挙も辞さない、とする野田総理とのチキンレースがもたらしたものだ。
小沢一郎元代表に近い立場でありながら、野田佳彦首相との調整役を務める輿石東幹事長は、板挟みの中、法案提出を認めつつ、衆議院で採決を行わず継続審議とする灰色の落としどころを探っている、という見方もある。
◆国民新党
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