だまされている人の声がわかる
電気機器大手の富士通は19日、声の抑揚で振り込め詐欺を検知する技術の開発に成功したことを発表した。だまされやすい心理状態で発する声を聞き分けるという。
検知率90%以上
人は好ましくない情報を告げられて、しかもそれを過度に信じてしまった際には、声の高音部分で、周波数が通常より平坦になるという。
今回発表された技術は、この変化を検知して、振り込め詐欺の電話を判別するもの。振り込め詐欺に典型的な「交通事故を起こした」などの通話を繰り返した実験では90%以上を検知したという。
さらに「補償」や「借金」、「訴訟」といった振り込め詐欺のキーワードと合わせて判断させると、検出率はさらに高まった。
今度こそ撲滅か?
新しい技術は、スマートフォンに搭載するアプリなどとして実用化を目指す予定だ。今後は実証実験を警察大学校、名古屋銀行と共同で、月内にも開始する。
平成23年には振り込め詐欺の被害額が、128億円にのぼった。ただ、近年の詐欺は銀行のATMなどから振り込める金額の上限が低く設定されることもあり、もはや振り込みを求めず、自宅に取りに来るケースが増えているという。
電話が検知されるとなれば、新しい手法が生まれることだろう。
◆富士通株式会社
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2012/03/19.html