日本のカーシェアリング普及状況は?
車は“所有するもの”ではなく“共有”するもの-この「カーシェアリング」の概念が出てきて久しい。カーシェアリングは、会員制のレンタカーのようなもので、いったん会員になってしまえば、レンタカーのような利用時の審査なども不要になるため、利便性は高い。
カーシェアリングのメリットは大きく2つ。「税金や車検費用など、自動車所有コストの低減」「環境負荷の低減」などが挙げられる。個人の問題で見れば、やはり所有コストの低減が大きいだろう。
欧米では普及が進んでいるが、日本でのカーシェアリング市場は、2009年時点で
車両台数563台、会員数6,396名
となっており、ようやくこれから普及段階に入ろうとしているといったところだ。
カーシェアリングがフィットする市場は、電車やバスなど、車以外の交通機関がある程度充実しており(車が生活の必須条件ではない)、かつ、シェアする人数が十分確保できる人口密度を持った都市部になる。欧米と比べて、人口密度が高めな日本では、今後まだまだ普及の可能性があるモデルである。
一人乗り用超小型EVミニカーで“こでかけ”
福岡市にある株式会社リーボでは、カーシェアリング・レンタル事業を柱とした、総合モビリティサービスを手掛けている。同社の特徴は、取り扱っている車両が、“
一人乗り用”の超小型EVミニカーであるということ。
小型な分、環境に優しく、日常の買い物や街中で使用する分には十分使用に耐えるとのこと。自宅での充電も可能だ。一人乗り用ではあるが、ペットは乗車可能なつくりになっているのが憎い。
確かに、ちょっとそこまで買い物に行くのに5人乗りの自動車は必要ない。「電動自転車の延長」というイメージで気軽に乗れて(※)、日常使いとしてはかなり使い勝手がいい。デザインもコロンとキュート、カラー展開も豊富で、女性も楽しく乗れそうだ。
(※)運転には普通免許が必要
このEVミニカーを用いた、レンタカーサービス“こでかけ”は、2011年11月4日~2012年2月19日まで、ふくおかアイランドシティにて行われた国土交通省による超小型モビリティ実証実験に九州大学などと協働で参加し、2012年春からの民間展開を目指しているとのこと。
博多の街を、このかわいらしい一人乗りEVミニカーが軽快に走りまわる日を楽しみに待ちたい。
株式会社 リーボ
http://reevo.jp/住友信託調査月報 2009年7月号「カーシェアリングは普及するか」
<a href="www.sumitomotrust.co.jp/RES/research/PDF2/699_4.pdf" target="_blank">www.sumitomotrust.co.jp/RES/research/PDF2/699_4.pdf</a>