再三の手話通訳者の要請にもかかわらず放置
川崎市中原区で交通事故に遭い、メールで110番した聴覚障がいの女性が、
手話通訳者を要請したにもかかわらず、現場で対応した警察官が放置していたことが13日、分かった。
女性が所属するNPO法人「川崎市ろう者協会」は同日、
中原署に抗議文を提出、新井雅之署長は女性らに謝罪した。
メール110番が周知されていなかったことが明るみに
女性は7月11日午後0時半ごろ、中原区の県道を運転中に、中央線をはみ出してきた対向車と衝突。
聴覚障がい者向けの「メール110番」で手話通訳者の派遣要請を書き込んで神奈川県警に通報した。
現場に駆けつけた署員にも筆談などで
手話通訳者の要請を繰り返し求めたが、署員はそのまま現場検証を行ったという。
中原署は過失を認め、再発防止に全力を挙げる姿勢
女性は肩に軽傷を負っていたため、人身事故として27日、手話通訳者を伴って再度現場検証を行った。また、中原署は女性らに、配慮が足りなかったことを謝罪した。
神奈川県警では2008年から、聴覚障がい者のために手話通訳者を派遣する制度を導入しているが、対応した警察官は制度を知らなかったという。今回の事故を踏まえて、改めて全署員に
手話通訳の制度の周知を行ったという。
「メール110番」というシステムが現場に周知がなされていないことが明らかになった今回の事態。
立派なシステムも機能しなければ全く無意味だ。警察には再発防止を図っていただきたいものである。
NPO法人川崎市ろう者協会のブログ (今回の事故についての経過記述も)
神奈川県警/メール110番システム・FAX110番