放射能汚染で供給の激減を予想
8日、72年ぶりとなる米の先物取引が東京と大阪の市場で復活した。東京穀物商品取引所では、取引開始直後から買い注文が殺到し、終日値がつかなかった。
関西商品取引所では売買が成約したものの、取引所が事前に基準値としていた価格を大きく上回る価格での取引となった。
この秋収穫されるコメのうち、放射能汚染された米は廃棄される予定。市場に出回るコメが不足するのでは、という予想がある。
農水省は新米の検査方法を2段階方式にする、と発表したが、そもそも安全の基準となる放射線の数値そのものを疑問視する声も高い。古米を買い求める人が増え、米店の中には、古米を求める人の行列ができる店もある。
先物取引は「汚点」か「英断」か?
もともと先物取引は世界に先駆けて日本で行われた。大阪証券取引所は堂島で行われていた米の先物取引が発祥とされる。江戸時代から200年にわたって続けられたが、戦後の食料統制で廃止された。
今回、農水省の認可を受けて試験的に導入された。JAではサイト上で、投機マネーを呼び込む「汚点」と断じている。
先物市場の「価格調整表」では、新米が古米より1500円高く設定されているが、今後コメからセシウムが検出されれば、逆転するのではないか、との懸念を表明。
市場関係者は、「時間とともに落ち着くのでは」と見ているが、投機マネーが入り込めば、ガソリンなどのように実需を離れて高騰するリスクも大きい。
◆大阪証券取引所
http://www.ose.or.jp/