原発開始から約50年、核廃棄物処理問題消えず
米国で最初の原発が稼動してから約50年。現在、米国の原発でも核廃棄物が溜まっており、これら核廃棄物をどう処理するか、どこへ移送するかが課題となっている。
3月12日におきた福島第一原発事故では放射能が周囲に漏出したが、事故当時福島第一原発には約65,000トンの核廃棄物があったといわれ、この核廃棄物による被害のほうがむしろ大きかったと米専門家は語る。
現在、核廃棄物をより安全に保管出来る新しい方法が開発されてきており、スウェーデン、米国などで導入の動きがあるという。
ディアブロキャニオン原発の核廃棄物処理問題
ディアブロキャニオン原発( the Diablo Canyon power plant )にある2機の原発はカリフォルニア州沿岸地域の都市の300万戸の家庭に電力を供給している。同原発には移送先が決まっていない核廃棄物が約1,300トンあるという。
また米国にはディアブロキャニオン原発の他にも103の原発があるが、これらの原発でも核廃棄物の問題には悩んでおり、また米国政府はこれら核廃棄物の処分場についてはいまだ模索中だという。
連邦議会はカリフォルニア州議員Dianne Feinstein氏を召集し公聴会をひらいた。
以下公聴会でのFeinstein氏の発言。
我々カリフォルニア州は核廃棄物処理の方法を定める明確な規則がない。この点は明か。
ドライカスク
ドライカスク(乾いた樽、dry casks )は核廃棄物保管の新しい方法。いわば核廃棄物の保管用ケース。コンクリートと鉄で出来た巨大な倉庫の中で、核廃棄物ひとつひとつをコンクリート製のケースに入れ保管する。
従来のプールに沈め保存する方法よりも大量の核廃棄物をより安全に保管出来る。製造はPG&E社など。最近スウェーデンの原発で導入、ディアブロキャニオン原発もこれに習い保管方法をドライカスクによる方法に変えた。
核廃棄物の処分場については住民の反対が多い。核廃棄物保管の方法をより安全なものに進化させていく事は抜本的な対策といえるだろう。
NPR