安愚楽牧場が営業を停止中
繁殖牛のオーナーを一般から募り、生まれた子牛から上げた利益を分配するいわゆる「和牛オーナー制度」で有名な安愚楽牧場が営業停止状態に陥っている。
1日、東京商工リサーチが発表したところによると、セシウム汚染の影響を受け、出荷を停止。現在は取引先などへの支払いも停止されているという。
口蹄疫とセシウム汚染のダブルパンチで
1981年に設立された安愚楽牧場は、国内最大級の黒毛和牛牧場。全国40カ所で自社牧場を経営し、牛を預けている預託牧場も300カ所以上にのぼる。
定期預金などが低利の中、「和牛オーナー制度」は高利回りの金融商品として人気を集めており、会員は3万人を超える。
いわゆる「和牛商法」については、実際には投資対象となる牛が存在しない現物まがい商法が横行、被害者が続出した。批判や法改正を受け、多くの同業者が廃業する中、最後まで残った和牛商法牧場がこの安愚楽牧場である。
2011年3月には1027億円の売り上げをあげたが、2010年に宮崎県で起きた口蹄疫では1万5000頭を殺処分。今年3月には負債も620億円近くにふくらんでいた。
今回、原発事故による放射性セシウムが牛肉から検出されたことで、牛肉の売れ行きが悪化。東京商工リサーチでは倒産速報を発した。
◆安愚楽牧場
http://www.agura-bokujo.co.jp/◆東京商工リサーチ
http://www.tsr-net.co.jp/news/flash/1212428_1588.html