増産の概要
昭和電工は2011年7月19日、リチウムイオン電池の材料を増産する旨発表した。人造黒鉛を原料とするLIB用負極材の現在の年間生産能力は1000トンであるが、これを2012年上半期までに3000トンに引き上げる。
そして、LIBの正極材にも負極材にも添加される導電補助材であるVGCFの現在の年間生産能力は100トンであるが、これを2012年初頭までに200トンに引き上げる。
さらに、モバイル用途で広く使用されているアルミラミネートフィルムについても、2011年末までに現在の年間生産能力の1.5倍に引き上げる。
増産の背景
環境問題への意識の高まりから、電気自動車やハイブリッド車などの需要が伸びつつある。そして、2011年3月11日に東日本大震災が発生したことを受け、各地で計画停電が行われたり、節電の動きがある。こうしたことにより、産業用・家庭用を問わず、蓄電池が注目されている。
今後ますますエコカーなどの需要が高まることが予想されていることから、昭和電工はこれらの部品の生産能力を引き上げることとした。さらに、近年はノートパソコンやスマートフォンやタブレット端末の需要が拡大しており、今後も需要の拡大が予想されることから、これらに搭載されている部品の生産能力も引き上げることとした。
一家に一台であった自動車やパソコンが一人一台所有するようになりつつある上、スマートフォンを使用する人の割合が増えているため、今後ますますこれらの部品の需要が高まるものと思われる。こうした需要に対して安定供給を続けてもらいたいものだ。
昭和電工 ニュースリリース
http://www.sdk.co.jp/news/2011/12599.html