マラリアワクチンがついに実現?
CNNは19日、マラリアワクチンがアフリカで臨床試験の最終段階に入っている、と報じた。
マラリアは蚊が媒介する伝染病。年間約80万人がこの病気で死亡するが、大半は5歳以下の子どもたちだ。
有効な治療薬はなく、長くワクチンの開発が待たれていた。
発症を抑える効果は50%
同ワクチンは英製薬大手グラクソ・スミスクラインと米非営利団体PATHマラリアワクチン・イニシアチブが開発した「RTS,S」と呼ばれるもの。
生後5~17か月の子どもでは、接種後1年以内のマラリア発症を約50%に抑えられた。最終試験に合格すれば、2015年には実用化できる見込み。
マラリアは古くから熱帯地方にはびこる伝染病として知られている。蚊が媒介するマラリア原虫が人の血液中で増殖し、貧血状態を引き起こす。
重篤化すれば死にいたることもある恐い病気だ。これまで薬の開発が遅れてきたのは、マラリアの発症地域のほとんどが貧しい国々であるため、と言われている。
製薬会社にとって、利益を上げやすい市場ではないことから、研究に資金や労力がつぎ込まれてこなかったのだ。
温暖化が進む中、日本でも必要?
昭和初期まで、日本にも土着のマラリアがあった。1946年の28,200人をピークに減少、現在では撲滅されている。
ただマラリアを媒介する蚊は今でも2種類生息する。比較的軽症の三日熱マラリアを媒介するシナハマダラカと重症の熱帯熱マラリアを媒介するコガタハマダラカだ。
シナハマダラカは日本全国に広く分布しており、コガタハマダラカは沖縄県の宮古島と八重山諸島に分布する。
温暖化が進行すれば、コガタハマダラカの生息域が北上し、本州にまで広がる可能性はあるが、渓流などを好み行動範囲も狭いため、今のところ都市部で広まる危険性は低いと見られている。
◆CNN
http://www.cnn.co.jp/fringe/30004322.html◆グラクソ・スミスクライン
http://glaxosmithkline.co.jp/◆Global Health Strategies
http://mim.globalhealthstrategies.com/blog/?p=519