国会議員のメールや情報が中国に漏れた可能性
朝日新聞は25日、衆院議員の公務用パソコンや衆院内のサーバーがウイルス感染し、
情報が盗み見できる状態だった、と報じた。
感染はサイバー攻撃により7月以降に発生。少なくとも1か月間は議員のメールや文書などを外部からのぞくことが可能だったという。
懸念される被害規模の大きさ
衆院のサーバーには、議員はもちろん、秘書や職員など、
計2660人分のパスワードなどが設定されている。
内わけは衆院議員約480人、各公設秘書1人の計約960人、衆院事務局の職員約1700人。衆院内で働く人は衆院のサーバーを利用している。
感染により、やりとりされたメールなどはもちろん、各自のパソコン内に入っているデータも盗まれた可能性があり、
重大な国家機密の漏えいもありうる。朝日新聞では、問題のウイルスは「トロイの木馬型」としており、IDやパスワードを盗むプログラムを中国国内のサーバーから招き入れる役割を果たしたという。
サイバー攻撃は「第5の戦場」と米国
日本では8月に三菱重工へのサイバー攻撃が発覚した。
50種以上のウイルスに感染していたというから、ひん死の重症である。
防衛関連や原発技術など、さまざまな情報を中国に盗まれた可能性が高い。
米国も同じく、中国のサイバー攻撃にさらされており、米下院情報特別委員会のマイク・ロジャーズ委員長によると、民間企業にも被害が広がっているという。
さらに恐ろしいのは、中国側からの報復を恐れて、被害を受けた民間企業がサイバー攻撃について公表しないことだ。
米国ではサイバー攻撃を陸・海・空・宇宙に次ぐ第5の戦場と認識しており、対処に力を注いでいる。
民間企業のビジネスマンや政府関係者も、中国に出張する際には、パソコンや携帯端末を持ち帰らず使い捨てにするという。ウイルス感染を防ぐためだ。
震災でも発覚したとおり、日本の危機管理は甘すぎる。そこまでの対処を考えている米国ですらサイバー攻撃を受けているのだとしたら、日本の企業はもちろん、多くの公官庁、金融機関などにもウイルスの侵入があると考える方が自然かもしれない。
◆asahi.com
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