総務省は、700/900MHz帯移動通信システムの導入に向けた制度整備の検討に当たっての参考とするため、現時点で参入を希望している事業者の状況について、2011年8月2日から8月31日までの間、調査を実施し、その結果の概要を公表している。
提出件数は、4件で、届け出順に、「イー・アクセス株式会社」、「株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ」、「KDDI株式会社及び沖縄セルラー電話株式会社」、「ソフトバンクモバイル株式会社」となっている。
今回の取り組みは、同省が、2010年12月に策定した「『光の道』構想に関する基本方針」を踏まえた、2011年6月の電波法改正によって、今後の700/900MHz帯移動通信システムの導入に向けた制度整備の検討の参考とするため、実施したというもの。
なお、800MHz帯は、従来から「株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ」と「KDDI株式会社及び沖縄セルラー電話株式会社」が保有しているため、700MHz帯を、2015年頃から携帯電話の利用に、また、900MHz帯を、欧州の割り当て状況と協調できる5MHz幅×2で2012年から利用開始、2015年には、さらに10MHz幅×2を追加できるように周波数再編を図ることになっている。
上記構成変更に応じて、RFIDは、諸外国との割り当て状況に合わせて915M~928MHz帯に、MCA無線は、930M~940MHz帯に移行、パーソナル無線は、2015年度をめどに廃止されることになる。
すでに「パイ」を確保する「NTTドコモ」、「KDDI」は、とりあえず様子見、「イー・アクセス株式会社」と「ソフトバンクモバイル株式会社」には、新規開拓の意欲十分と、極端な温度差が感じられる今回の参入状況だが、制度の整備進捗の緩慢さの一方で、スマートフォンに代表される「大量データ通信消費」のモバイル機器は、急速に利用者数を拡大している。それぞれの立場が見据える「モバイルのあるべき姿」は、利用者に何をもたらしてくれるのだろうか。
総務省リリース